友達には言えない

昨日は仕事が休みであった。
友達と去年からやろうと言い合ってノビノビになっていたことを実現させた。
それは「撮影会」。
だって春ですもの。

---

といっても勿論アヤシイ撮影ではございません。
お日様の下で、健康的に、風景や草花などを撮影に。
帰りに水族館なぞも行ったりして、出産して配偶者の実家へ入った友達を楽しませたのだよ。愚痴というほどじゃないけど「こんな時がたいへん」とかそんな話も聞いたんだよ。

「こういうのいいね」
「今度はチューリップの時に来たい」
と彼女は言っていた。
なんとなく、とても良い事をした気分になった。
晴れ晴れとした気分で帰宅した。

が。
そんな気分も、パチスロから戻った正パートナーが口を開くまでだった。
友達と出かけることは言ってあった。その友達自身ともその配偶者とも彼は知り合い。何か疑いを差し挟まれる隙はないと思っていた。

「今日は何時くらいに帰って来たの？」
「ん～？５時半過ぎ」
「どこ行ったの」
「海浜公園と水族館」
「水族館は誰と行ったの」
「○○とに決まってんじゃん」
すると彼は声を荒げて
「もしかしたら一人で行ったかも知れねえだろ」

ハァ？( ﾟДﾟ)

なにか？私は近所まで彼女を送り届けた後また逆戻りして水族館に行って別の誰かと会ったとか疑われている？
まだ早い時間に、「ごめんねー今から別に用事あるから」とか言ってとっとと友達を送り返したとでも思ってるわけ？
写真撮影という目的が済んだらとっとと友達を送り返すとでも？
今日のメインは写真撮影だったけれど、そのためだけに友達と行くわけないじゃん。

「○○と行ったに決まってんでしょ。どこの世界に友達送り返して一人で水族館に行く人間がいるのよ」
「おめーは一度そういうことやってるんだからな」
出た！お決まりのそのセリフ。
水戸黄門の印籠よろしく、それさえ言えばいいと思っている。

疑わしいことがないのに疑心に駆られて、ガキみたいにそれをそのまま口に出す。
非論理的。ヒステリー。見苦しい。情けない。
友達と出かけたら基本的に一日かかるくらい当然だってことがわからないなんて、なんて可哀想な男なの。
印篭を出されても別にハハ～ッと平伏するわけがないのにそれにすがり付いている。

つーか、「そういうこと」ってどういうことだよ具体的に言ってみろよどこがどうなって何をしたら「そういうこと」になるのよ。
友達と･･･という口実は使ったことあるけど、実際に友達を引っ張り出して利用したことなどないわい。
出汁にされることの嫌さはよくわかっているから。

なんら後ろめたいことがないのにそこまで言われたら私だってムカつく。
「バッカじゃないの」
いい加減うんざりだよ。

何したって疑われるんなら何でもやってやる。
たとえ隠す必要のない事でもヤツには言わないでおこうって気になる。
わざわざ疑わしい言動を取ってみたくなる。

だけどそんなのあまりにもバカバカしくて。
「じゃああんたも一回やっていいよ」
そんな言葉が喉元まで出掛かっている。