友達には言えない

ゆびきりなどという年甲斐もなく可愛らしい振る舞いをした後のＸ氏は頑張った。
頑張ったというか、基本に返った？

話が一段落すると、手を伸ばして私を抱き寄せた。
そしてキス。ひたすらキス。
ねっとりしたものでなく、ついばむようなキス。
あっさりとしながらも気持ちのこもったキス。

しかもいつまで経っても止めやしねぇ。
私のほうが先にギブアップして「お風呂入ろ」と切り出す始末。
根気に勝るものはなし。元気ヤル気根気。

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「いつまでやっとるんじゃーい」とは思ったけど、キスは好きだ。
キスにやり過ぎはない。あるとすればＴＰＯを考えないキスくらいか。
付き合いが長くなればなるほど、キスってないがしろにされがちな気がする。

でも、キスって大切だよね。
キスだけでその気になっちゃったりして、日常から非日常に切り替わるスイッチになりえるのだ。
男性は始まりから終わりまでかなり急激だけど、女性は緩やかなんだもんね。男性のペースで進められたら置いてけぼりにされちゃうんだもんね。
「とっとと入れて抜きてぇ～」と思っても我慢して女性に合わせる余裕が欲しいものですな。
前戯抜きでやるっちうのもたまにはいいけれど、そっちがメインになっては嫌だなぁ。

長時間のキスで私はすっかりモードが入れ替わった。さっきまでの少し意地悪な気持ちは引っ込んで、“Ｘちゃんのものよ♥”モード(笑)に切り替わった。
お風呂に入ってからもＸ氏の愛撫は続く。
うなじや背中へのキス。
乳首に舌が触れるか触れないかのタッチ。
クリも優しく撫でられる。
地味だけど効果絶大の愛撫に私はピクンピクンと反応しっぱなし。

奥のほうに手を伸ばしたＸ氏が「ヌルヌルだ」と耳元で言った。