友達には言えない

それはある晩のこと。
日々の疲れが出たのか女性ホルモンのしわざか、私はいつになくイライラしていた。
そのため、その日の私の夜食は、
主食：ビール
副菜：ビールだった。

主食のビールを飲みながらポチポチと携帯メール。
なんせイライラしているので、なんの罪もない人に棘を含んだメールを送ってしまったりなどした。
もちろんＸ氏にも。
しみじみ会えなくて先日短時間会っただけのせいか、やたら甘いメールを送ってきていて、「ちょっとここらで釘さしておいたほうがいいか～？」と思っていたのもある。鬱憤晴らしも当然含む。

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「今は好きな女がいるから幸せだよ」と言われたら
「今までだって何人もいたでしょ（トゲ１）」とバッサリ。
「そりゃ何もなかったわけじゃないけど、好きになるのとはまったく別だぞ」と言われたら
「ハイハイ（トゲ２）。そんなふうに思ってもらえて幸せ者です」とアッサリ。

するとＸ氏。
「空回りでもいいや！」

( ﾟｏﾟ)ﾊｯ
なにその“報われないとわかっている想いだけど後悔なんてしていませんこんな気持ちを知ることが出来た自分は幸せです”みたいな青臭い青春ドラマチックな言い草はっ
と、副菜のビールを飲みながら思った。

が、その頃にはすきっ腹にぶち込んだビールがテキメンに効いていた。脳味噌が分厚い膜で覆われたような感覚。イライラした気分もその膜でブロックされたみたい。
その健気な姿勢に胸打たれたと言ってもいい。
ちょっとかわいそうになってきた。
そこで「空回りじゃないよ。私もすごく会いたいと思ってるよ。すぐにでもしたいと思ってるよ。すぐ出来るように下着つけないで行ってもいいくらいだよ」とレスする私ってなんだろう(-｡-;)

この時点でだいぶ夜も更けていたので、メールはここで止まった。

翌朝。頭にうっすらと鈍痛を感じつつトイレへ。
出すもん出すときゃ心は無我の境地。
と、そこへ、ぽっかりと昨夜の記憶が浮かび上がってきた。
あーあのメール送ったんだっけー送ったんだよなーどひー

黙っていればなかったことになるような気分で仕事へ。
するとお昼前に「ノーパンで会えるなんて楽しみだな♪」とメールが。