友達には言えない

Ｘ氏とは先月末に一度会った。

「こんなになってもまだ男に会うのかよ」みたいな考えがちょっとあった。
それまでもらった優しい言葉に助けられはしたものの、ウキウキと会いに行く気分にはなれず。
会える？の問いに「写真撮りに行きたいから」と返した。

それっきり彼からのメールは止まった。

そんな人だとは思っていたけど一言くらいないのかよと思った。
断ったらホントにそこで終わりなの？会えなきゃメールする意味ないって？

実はメールくれてるかもと何度もメールチェック。
会おうか会うまいか迷った挙句の答えだったけど、
思いっきりスッパリ斬り捨てられた感じがして、急に寂しくなった。

セックスしなくてもただ会ってギューッとしてもらうだけでいいと思った。
「会うだけでいいからやっぱり会いたい」

間もなく返信が来た。
わかりやす過ぎ。

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会うだけでいいと言ったけど、Ｘ氏は当たり前のようにラブホへ向かう。

愛撫されても身体が強張ってしまうのだけれど、Ｘ氏は黙って続ける。
その根性が報われて徐々に感じるようにはなったけど、
頭のどこかが石になったような感じで、いつもとは違うところから声が出ているようだった。

ただ、彼が時折
「俺が守ってやるから」とか言ってくれるのがうれしかった。
もちろんそんなことは出来るワケがないんだけど、出来もしないこと言うなとは思わなかった。そういうことを言ってくれる気持ちがうれしかった。
本来そういうことを言ってくれるべき男に「俺にも自分の時間をくれよ」と言われた反動もあるかも。（←かなり根に持っている）
つい涙が出ちゃったけど、彼は眼鏡を外していたのでバレなかった。

その言葉のせいか、根気強い愛撫のせいか、精神的なかさぶたがはがれたような気がした。
優しい言葉をかけてくれる人がいるのに「どーせ」といじけるのはダメなんじゃないかって思った。

私が反応薄かったせいでＸ氏は出さずにいた。
彼はそのまま終わらせようとしていたけれど、「出させてあげたい」と申告して手口で少々抜いた。
私にはこんなことしか出来ないから。


Ｘ氏は単にやりたかっただけかも知れない。
出来もしないキレイゴトを「言うのはタダ」と思いながら言ってたのかも知れない。
でも、うれしかったんだよーん。
後ろ向きな考えで時間を浪費するよりも、いいとこ取りで自分を救ってやろうと思う。